農業者の皆さんは、「農業経営者として自立し、経営発展を目指したい」、「他産業並の所得と就業条件を確保したい」、「就業者の福利厚生を整備したい」、「担い手の確保・育成を容易にしたい」などと、お考えではありませんか。
このためには、農業経営を効率的に推進する為の仕組みをつくる必要があります。
平成19年から国の農業施策が大きく転換し、これからの農業経営は、意欲と能力のある担い手が中心となるような農業の仕組みを作ろうという事で、担い手に対象を限定した施策が展開されています。
農業経営の「法人化」はこれまでの農業経営の仕組みを抜本的に改め、経営発展を具体的に推進する手段の一つとして、多くの可能性をもっております。
農業の協業による共同利益の追求、議決権は1人1票、農民3名以上、構成員は等質的、利害関係小、意思決定の機動性小
事業範囲は、
1)農業に係る共同利用施設の設置
2)農業の経営
3)1)および2)の事業に付帯する事業(生産物の加工、販売等)に限定
その事業に従事する組合員に対する従事分量配当は、消費税の課税仕入れになる
社員少数の家族的な人的会社、無限責任
共同事業のための人的な組織体、構成員全員一致の原則。内部自治の柔軟性、対外的信用力小
営利目的の法人、議決権は1株1票、構成員1人以上で上限なし、農業生産法人は株式の譲渡制限付き
(A)主たる事業が農業とその法人が関連する農産物の加工等の関連事業であること
(B)農業と関連事業が売上げの過半を占めること
(A)その法人への農地提供者または法人の事業の常時従事者
(B)その法人に現物出資した農地保有合理化法人、農協、農協連合会、地方公共団体
(C)法人からその法人の事業に関わる物資の供給を受ける者、またはその法人の事業の円滑化に寄与する者及び法人の行う事業と継続的取引関係にある者
※株式会社にあっては、総議決権の4分の1以下、1構成員は10分の1以下、持分会社は社員総数の4分の1以下、農事組合法人は3分の1以下
理事(取締役)の過半数がその法人の農業(関連事業を含む)の常時従事者であり、かつその常時従事役員のうち過半の者が60日以上農作業に従事する者であること
株式会社(非公開) | 合同会社(LLC) | 農事組合法人 | ||
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根拠法 | 会社法 | 会社法 | 農業協同組合法 | |
事業 | 事業一般、但し農業生産法人は売上高の過半が農業及び農業関連事業 | 事業一般、但し農業生産法人は売上高の過半が農業及び農業関連事業 |
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事業目的 | 営利追求 | 営利追求 | 共同利益の増進 | |
構成員 | 資格 | 制限なし、但し、農業生産法人は農地法の要件が必要 | 制限なし、但し、農業生産法人は農地法の要件が必要 | 農民、その他定款で定める者 |
数 | 1人以上 | 1人以上 | 3人以上 | |
出資者の名称 | 株主 | 社員 | 組合員 | |
資本金 | 制限なし | 制限なし | 制限なし | |
意思決定 | 株主総会議決(1株1票) | 原則全員一致(変更可) | 1人1票の総会議決 | |
役員 | 取締役 (理事) |
取締役1人以上 | 業務執行役員1人以上 | 理事1人以上 |
監査役 (監事) |
任意 | 任意 | 任意 | |
取締役(理事)の任期 | 原則2年以内、最長10年 | 無期限 | 3年以内 | |
監査役(監事)の任期 | 4年、最長10年 | 無期限 | 3年以内 | |
法人税 | 資本金1億円以下の法人 年所得800万円以下⇒15.0% 年所得800万円超⇒25.5% |
資本金1億円以下の法人 年所得800万円以下⇒15.0% 年所得800万円超⇒25.5% |
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事業税 | 年所得400万円以下⇒2.7% 400万円超800万円以下⇒4.0% 800万円超⇒5.3% |
年所得400万円以下⇒2.7% 400万円超800万円以下⇒4.0% 800万円超⇒5.3% |
農業生産法人の場合、畜産業を除く農業は非課税 | |
地方法人特別税 | 事業税額の81% | 事業税額の81% | 農業生産法人の場合、畜産業を除く農業は非課税 | |
登録免許税 (設立登記) |
資本金の1,000分の7(最低15万円) | 資本金の1,000分の7(最低6万円) | 農協法に基づく登記は非課税 | |
組織変更 | 合同会社に変更可 農事組合法人に変更は不可 |
株式会社に変更可 農事組合法人に変更は不可 |
合同会社に変更可 合同会社に直接変更は不可 |
(1)担い手不足が見込まれる地域において、
(2)その地域の農地面積の過半を集積する相手方として、農用地利用改善団体が作成する特定農用地利用規定に位置付けられた法人であって、
(3)改善団体の構成員から農用地を引き受けるよう依頼があったときは、これに応じる義務を負うという性格を有する農業生産法人(農業経営基盤強化促進法第23条第4項)
(1)担い手不足が見込まれる地域において、
(2)その地域の農地面積の3分の2以上について農作業を受託する相手方として、農用地利用改善団体が作成する特定農用地利用規定に位置付けられた団体であって、農業生産法人となることが確実と見込まれ、
(3)改善団体の構成員から農作業を引き受けるよう依頼があったときは、これに応じる義務を負うという制作を有する農作業受託組織(農業経営基盤強化促進法第23条第4項)
(1)集落等の地縁的なまとまりのある区域をその地域とし、
(2)その地区内の農地権利者の3分の2以上によって組織されている団体で、
(3)その地域内における農作業の効率化(例:機械の協同購入・協同利用、担い手とその他構成員との役割分担)や農用地の利用関係の改善(例:担い手の農用地の利用集積・集団化のための調整)等の活動を行うもの。
(平成26年3月末現在)